地上を彷徨った上,地の果てを越えて彼方の世界,「ティンブクトゥ」へと旅だった男と,彼と生涯を共にしながら後に残された一匹の犬.「なんで,ぼくを『ティンブクトゥ』に連れて行ってくれなかったのかな」 犬は,そう思い嘆きながら,主の消えたこの世をさすらう.いつか,彼自身の「ティンブクトゥ」に行き着くまで.
僕は日本語版は読んでいないのですが,原文は,とにかくただただ文章が美しい.語彙豊かで,色彩に溢れ,バッハの音楽のような息吹に満ちている.音楽は,音ではなく言葉でも紡げるのだ,という格好の例題です.
訳者の柴田さんはしっかりした訳者さんだから,日本語でも原文の美しさは失われていないと期待します.
お奨めです.






